「子供が欲しいとはいえ、やみくもに毎日性交渉を持つのは体力的に厳しい」「妊娠しやすい期間はいつ?どうやったら調べられるの?」
そんな風に思っているあなたへ。
パートナーと毎日のように性交渉を持つことができれば、その分妊娠の可能性は高まりますが、忙しさや疲れなどを考えると、なかなか毎日というわけにもいかないですよね。
そんな時に役立つのが「タイミング法」という妊活方法です。タイミング法とは、最も妊娠する可能性が高いタイミングに性交渉を持つ方法のことを指します。
クリニックに通わずに、おうち妊活をするという方の多くが最初に取り組むのがこの「タイミング法」です。
今回は、妊娠しやすい時期はいつなのか?と、タイミング法のメリット・デメリットについてご紹介していきます。
妊娠しやすい時期は、排卵日3日前〜排卵後1日頃
通常、妊娠しやすい時期は排卵日の3日前から排卵後1日頃までとされています。
排卵した卵子が受精できる時間は約1日、そして女性の体内で精子が生きられる時間は約3~5日間と言われているため、この間で性交渉を持っていれば、いつ排卵があっても精子が卵管で卵子を待つことができ、妊娠の可能性が高まるのです。
「排卵の当日だけが妊娠できる日」だと勘違いしていた人も多いのですが、
実は、排卵日3日前から排卵後1日頃までの期間中、最も妊娠可能性が高いのは「排卵日2日前」だということがわかっています。
なぜかというと、排卵が起きると、精子の通り道である頸管粘液(おりもの)が急速に減少してしまい、精子が通りにくくなる可能性があるからなのです。
排卵日の予測方法
妊娠しやすい期間を知るためには「排卵日」を予測することがカギとなります。
では、排卵日はどのように予測すればいいのでしょうか?
排卵日の予測方法は大きく分けて3つあります。
具体的には「基礎体温から予測する」「排卵検査薬を利用する」「クリニックで卵胞の状態をチェックしてもらう」という方法です。
それぞれを詳しく解説していきましょう。
排卵日の予測方法:基礎体温から予測する
「基礎体温」とは、身体が一番安静な状態(寝ている時)の体温のことを指します。
女性の基礎体温は、通常、ホルモンのバランスによって「低温期」と「高温期」の2層に分かれるため、日々きちんと基礎体温を計測し表に記録しておくことで、自分の体のリズムが大まかに把握できるのです。
一般的に、月経スタート時が低温期。そして排卵後に高温期に突入するというサイクルになっています。
なぜ排卵すると高温期に突入するのかというと、排卵後に分泌される黄体ホルモンという物質が体温を0.5度ほど上げると言われているためです。
最近では日々の基礎体温を入力するだけで排卵日を予測してくれる便利なスマホアプリもあります。
ただ、月経不順の場合や、ホルモンが正常に分泌されていない場合は、基礎体温から排卵日を予測することが困難です。
また、低温期・高温期に分かれているにも関わらず、通常と異なるタイミングで排卵してしまう人も中にはいるため、この後に紹介する「排卵検査薬を利用する方法」と併用して予測するのがオススメです。
排卵日の予測方法:排卵検査薬(排卵チェッカー)を利用する
「排卵検査薬」とは、尿中のLH(黄体化ホルモン)濃度の上昇をとらえて排卵日を予測する検査薬です。
このLH(黄体化ホルモン)という物質は、女性ホルモンの一種で、普段から少しずつ分泌されていますが、月経周期の中盤で一時的に分泌量が急激に増加し、尿中のLH濃度が上昇します。
そして一般的に、LH濃度の上昇が始まってから約36時間以内に排卵が起こるとされているのです。
この排卵チェッカーは処方箋薬局及び、インターネットなどで購入することができます。
排卵検査薬の一般的な使い方は下記のとおりです。
- 基礎体温を記録し、月経周期を把握しておく
- 月経周期が28日の人であれば、月経開始から12日目頃から尿検査を始める
- 陽性反応が出るまで毎日検査する(場合によっては日に2回)
詳しくは、それぞれの検査薬に記載されている方法を参考にしてください。
ただ、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の人の場合、排卵期以外の時期でもLH(黄体化ホルモン)が大量に分泌される傾向があるため、いつ検査しても弱い陽性反応が出てしまうなど、不都合が起きることがあります。
このような場合はクリニックでの受診が必要です。
排卵日の予測方法:クリニックで卵胞の状態をチェックしてもらう
排卵日の予測方法として最も確実なのが、クリニックでの超音波検査により卵胞の状態をチェックしてもらうことです。
月経不順や、検査薬で反応しないという場合は早めに受診しましょう。
通院するタイミングとしては、月経周期の10日目~11日目頃からになります。このぐらいの頃から、卵胞が著しく成長する時期に入るためです。
超音波検査で卵胞の状態を医師に見てもらい、卵胞の大きさが14mm~15mmほどになると、そろそろ排卵が近づいているということで、その2日後ぐらいに再度受診するよう指示されます。
この時期の卵胞は大体1日に1.5~2mmくらいずつ大きくなっていき、18mm以上になると、その日に排卵してもおかしくない大きさ。
このタイミングで医師が「排卵の時期です」教えてくれるのです。
妊活方法「タイミング法」のメリット・デメリット
妊娠しやすい期間について把握できたところで、今度は「タイミング法」について解説していきます。
おうち妊活や、クリニックでの一般的な不妊治療のファーストステップとして行うことが多いタイミング法。タイミング法のメリットやデメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
- 気軽に始められる
- 比較的お金がかからない
- 身体的負担が少ない
- 排卵日には個人差があり、予測が難しい場合がある
- 高齢の場合は成功率が低い
- タイミングうつ、タイミングEDになる場合がある
タイミング法を行う際の費用については、クリニックに通う場合も通わない場合も数千円で済むことが多く、身体的負担についても少ないため、気軽に始められるということが最大のメリットと言えます。
ですが、先に述べた通り、月経不順や多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の場合に排卵日の予測が難しいことや、高齢の場合はそもそも自然妊娠が難しいためタイミング法が適さないということがデメリットとして挙げられます。
また、妊娠しやすいタイミングを意識して性交渉を「行わなければいけない」という義務感やプレッシャーから「タイミングうつ」や「タイミングED」になってしまうケースもあります。
タイミングを意識しすぎて性交渉が行えなくなってしまっては本末転倒です。夫婦のどちらかが負担を感じてしまっている場合は、今後の妊活方法についてよく話し合ってみてはいかがでしょうか。
「タイミング法で妊娠しやすい期間やメリット・デメリット」まとめ
今回は、妊娠しやすいタイミングと、タイミング法のメリット・デメリットについてお伝えしました。
タイミング法を続けてもなかなか妊娠しない場合や、そもそも排卵日が予測できないという場合はクリニックに受診し、早めに医師に相談してみましょう。